設立時に登録される印鑑とその他のもの

会社設立時に登録される印鑑とその他のもの

欧米社会の場合には全く事情が異なっていますが、日本で会社設立を行う場合には、印鑑というものが必須のものとなっています。

まずは、会社設立に際しての設立登記を行う場合には、法務局に会社代表印となる会社実印を登録しなければなりません。

さらには、会社設立に際して法務局に登録する会社実印のみではなく、会社の銀行口座用の印鑑として用いる銀行印、また、日常業務の際に各種の書類に捺印する角印とよばれるものも、会社の印鑑として用意するというのが通例となっているわけです。

もっとも、会社設立の際に法務局に登録する会社実印以外のものについては、これを設けねばならないと定められているわけではないために、銀行印にも日常業務における書類への捺印にも、全て会社実印を使用してしまう、ということもできるわけなのです。

しかし、そんなことをしている会社はまずありません。

というのも、会社実印というものは文字通りに会社の代表印ですから、非常に重要で絶対に悪用されてはならないものですし、また、より現実的な問題としても、一本の会社実印を日々の様々な業務で行う捺印に用いる、ということには無理があるからなのです。

このために、会社設立に当たって法務局に登録されている会社実印は、普段は代表取締役である社長が厳重に保管していて、重要な取引成立の際に会社の代表印として捺印する必要がある、というように社長が認めて会社実印を用いる場合以外には、みだりに使用させることは厳禁している、というあり方が通例となっているのです。

もしも、この会社実印の管理が杜撰で、持ち出されて外部の者に不正使用されるようなことになってしまえば、勝手に巨額の金額が記入された会社の手形を振り出されて、その結果、決済の不能な手形の不渡りという最悪の事態に追い込まれ、会社が倒産してしまうということにもなりかねないからです。

こうして、会社の日々の業務では、伝票類や発注書などの多数の業務用書類への捺印には、角印とよばれる、会社の名称と住所、電話番号が刻印されている四角い印鑑が使用されている、というのが多くの会社で一般的に見られる光景となっているわけです。

すなわち、この角印というものが、日常の業務における会社の印鑑となっているわけなのですが、これはあくまでも日常業務における機能としての会社印なわけで、法的な意味を持つ会社代表印とは根本的にその性格を異にしているものなのです。”